モーターの出力は「定格出力」という表記をしている。また区分も排気量が無いため、この定格出力を目安とした区分になる。
原付1種 定格出力600Wまで
原付2種 定格出力1000Wまで
それ以上の出力は軽2扱いで上限は無い。
この定格出力というのは、本来は最低保証出力のような物であり、「この出力なら継続して出せますよ」ということなのだ。一般的な工業製品の場合、大抵はこの定格出力の倍がピーク出力となっている。つまり、原付1種は定格600Wなら最高出力1200W以上、原付2種は定格1000Wなら最高出力2000W以上ということになる。
だいたい100W=0.14183馬力なので、
原付1種 定格600W(0.851馬力)最高出力1.7馬力以上
原付2種 定格1000W(1.4183馬力)最高出力2.83馬力以上
ということになる。
インホイールモーターの場合には駆動ロスなどが無いので、後輪での最高出力は定格出力の3倍以上と考えればいい。それで計算してみると、
原付1種 定格600W 最高出力2.5馬力以上
原付2種 定格1000W 最高出力4.25馬力以上
ということになる。
どう考えても力不足だが、普通のモーターの定格解釈にしたがうとこうなってしまう。原付2種でやっと4ストエンジン50cc並・・・。しかし定格は最低保証出力のようなものだから、最高出力2000Wのものを定格600Wとしても問題はない。あくまでもモーターメーカーの申告によるものだ。実際にトヨタ車体が販売を開始した原付4輪、ミニカーに当たるコムスは、原付1種の定格600Wでありながら、最高出力は5000W(7馬力)としている。
これを踏まえて現実的な定格出力としては
原付1種 従来の定格1500W相当 最高出力6.38馬力
原付2種 従来の定格2500W相当 最高出力10.6馬力
のモーターにすれば、より現実的な動力性能を得ることができるし、ガソリン車と遜色の無い走りができるはずだ。
ただし、モーターの出力が大きくなれば電力を食うことになり、バッテリー容量を大型化しないと航続距離が著しく低下してしまう。